本書は、フランスの中世社会においてキリスト教がどのように浸透していったのか、を読者と一緒に学ぶために編まれたものである。ここでは、中世の人々が日々目撃していた聖者やその聖遺物が起こす奇蹟に注目し、聖者文学のなかでも特に伝記と奇蹟譚を選び、その邦訳を試みた。歴史学者である訳者が専門とするロワール川流域において、4世紀から12世紀にかけて活躍した7名の聖者が取り上げられており、通読すれば、800年の間における人々の日常生活や信仰、聖者文学の様式や内容の変遷なども分かるように構成されている。何編もの聖者文学が続くが、飽きることなく読み進められるよう、表現や文体にも工夫がほどこされている。さらに、各作品冒頭の「解題」で理解の助けとなる作品解説がなされ、全体の「解説」においては、聖者文学の性格や書かれた目的等が明らかにされている。対象とされた聖者はほとんどが各地域でのみ崇敬されていた無名の聖者であることから、本書は貴重な史料の世界初の現代語訳となろう。
なお、「解説」では聖者文学の研究史や歴史研究への活用方法なども示されており、西洋中世史研究の入門書としての役割も果たす。(九州大学出版会HPより)
●目次
はじめに
解 説
一 中世の人々と聖者文学
二 史料としての聖者文学
三 ロワール川とアンジェ
第一話 聖モリーユ
伝記1
伝記2
奇蹟譚
第二話 聖オバン
伝記
奇蹟譚
第三話 ヴェルトゥの聖マルタン
伝記
奇蹟譚1
奇蹟譚2
第四話 聖レザン
伝記1
伝記2
第五話 聖マンブゥフ
伝記
第六話 アルブリセルの聖ロベール
伝記
第七話 聖ジロー
伝記
奇蹟譚
おわりに
参考文献
索 引
訳者:宮松 浩憲
判型:四六判 上製
ページ数:372ページ
ISBN:978-4-7985-0199-4
発行元:九州大学出版会
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