教皇フランシスコの回勅『ラウダート・シ――ともに暮らす家を大切に』に学び、神、他者、自然、そして自分自身との、調和ある関係を求めつつ生きていくよう呼びかけるとともに、「観る」「識別する」「行動する」という三段階を通じて、エコロジーについての理解を促し、実践へと招く。日本カトリック司教団から、すべての人へと向けられたメッセージ。
●目次
あいさつ
はじめに
創造の恵みに感謝して/本書の目的
第一部 観るSEE ―「ともに暮らす家」を観る
一、回勅『ラウダート・シ』のまなざし
1観想の心と事実を見る姿勢
神のくみ尽くしがたい豊かさ/家を守り治める知恵/
自然のおきて/未然に防ぐ/物質の循環/環境の倫理
2問題意識の多角性
信仰生活上の根本課題/十の問いかけ/貧困問題と環境問題の根は同じ/
技術主義の脅威/人間に見合った責任/生に資する率直な対話/使い捨て文化からの脱却
3根本課題―人間性の刷新と共通善の拡充
人間の問題かつ社会の問題/人間性の内的刷新/共通善の拡充
二、大地の叫びと貧しい人の叫び
行動変容への訴え/人的活動が招いた気候危機
1富裕国の責任
経済格差の拡大/エコロジカルな債務
2日本におけるエコロジー問題
環境問題からエコロジー問題へ/エコロジー問題としての公害問題/経済発展優先の結果/
私的差別、公的差別、構造的差別/エコロジー問題としての原発問題/循環とは無縁の公害源/
被ばくという「公害」/エコロジー問題としての基地問題/分断を招く負担の押しつけ/
民主主義と地方自治の危機/広範な展望の必要性
3ライフスタイルの転換を目指して
ライフスタイルの転換/ささやかな配慮の積み重ね/問題構造の理解/使い捨て文化/
ファストファッションにみる大量生産・大量消費・大量廃棄/先住民への構造的な暴力/
ケアの文化/脱炭素社会/エシカル消費/すべてのいのちを守る旅
第二部 識別するDISCERN ―信仰に照らされて識別する
一、時のしるしを照らし出すみことばの光
1創造主の心
すべては神の愛の贈り物/「すべてを支配する」ことの正しい理解/創造のわざを賛美する/
イエスと創造のわざ/創造のわざと宇宙/宇宙を貫くキリストの神秘
2人間の責任
創造の調和を乱す人間の罪/ヨベルの年の祝い/人間の自然的、道徳的成り立ち/
被造界との健全なかかわり/よいサマリア人の模範/三位一体の神の交わりにあずかる
二、時のしるしに目を凝らす教皇の奉仕職
歴代教皇の倫理基準
1教皇ヨハネ・パウロ二世
環境保護活動に携わる人々の保護の聖人/ヒューマン・エコロジーの真意
2教皇ベネディクト十六世
天然資源の利用の三条件/社会全体の道徳的方向性
3教皇フランシスコ
総合的なエコロジーへ/エコロジカルな認識と行動/自然との相互作用である経済、社会、文化
第三部 行動するACT ―ともに生きるために行動する
一、責任ある地球市民として神の愛をあかしする
次世代のために美の種を蒔く/恐れ、貪欲、依存からの解放/
すべてに対する神の愛のあかし
1エコロジカルな霊性
再生のための長い道/霊性―生きる知恵と力の泉/愛によって授けられたいのち/み心が行われますように
2エコロジカルな教育
動機づけや教育過程/ともに歴史を作るようにとの招き/新しい普遍的な連帯
3環境教育に学ぶ
持続可能な消費のための教育/市民性をはぐくむ教育
4ともに歴史を作る
平和へと向かう真の道/現実は理念に勝る/全体は部分に勝る/時は空間に勝る/一致は対立に勝る
二、ともに歩み、ともに識別する教会共同体へ
シノダリティ/ラウダート・シ・アクション・プラットフォーム
1ラウダート・シ・ゴールズ
(1)地球の叫びにこたえて/(2)貧しい人々の叫びにこたえて/(3)エコロジカルな経済へ/
(4)持続可能なライフスタイルを取り入れて/(5)エコロジカルな教育を/(6)エコロジカルな霊性で/
(7)地域社会のレジリエンスとエンパワーメント
2ラウダート・シ計画
具体的な留意点/計画の進め方
おわりに
すべてのいのちを守るためのキリスト者の祈り
用語解説
参考資料
著者:日本カトリック司教団
判型:B6判 並製
ページ:160頁
ISBN:978-4--87750-251-5
発行:カトリック中央協議会
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