それは番狂わせ?奇襲?煙幕?それとも茶番?
——高名な事件にもかかわらず、その詳細についてはなお諸説入り乱れたままの、1077年「運命の城」カノッサでの「屈辱」の瞬間を再検証するとともに、教皇側、帝国側双方にとっての前後数十年の時の流れを、さまざまな史料を駆使して再現。いわゆる「叙任権闘争」のさなか、刻々と変化するパワーバランスの推移を、「現場」で右往左往するドイツの司教・諸侯たちの目線を交えつつ、コンパクトかつ鮮やかに捉え直した、手に汗握る快著。図版多数。
●目次
序
第1章 カノッサ──世界を震撼させる出来事
第2章 皇帝ハインリヒ三世治下での〈世界の一体性〉
第3章 崩れる一体性 ──ハインリヒ四世と内戦
第4章 社会秩序と統治秩序の変容
第5章 グレゴリウス七世以前のローマと教皇庁
第6章 教皇グレゴリウス七世は《全ローマ世界》の恭順を要請する
第7章 一〇七六年──国王の孤独と司教たちの《新しい信仰》
第8章 善人と悪人──価値観の変化、道徳的強制と新たな国王像
第9章 国王たちの戦いと教皇グレゴリウス七世の最期
第10章 叙任権問題とその展開の諸段階
第11章 ハインリヒ五世の裏切り──ふたたび崩れる〈世界の一体性〉
終章
訳者あとがき
索引
参考文献
原註
著者:シュテファン・ヴァインフルター
訳者:津山拓也
判型:四六判 上製
ページ数:312ページ
ISBN:978-4-89694-368-9
初版発行:2024年8月23日
発行:八坂書房
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