イエス・キリストの最も重要な場面を描いたデュプレの作品を、ダイナミズムそのままに届ける大オルガンの神秘的空間
カトリック教会で伝統的に行われている”十字架の道行き”(Le Chemin de la Croix)は、イエス・キリストが十字架を担った歩みをたどる祈りで、全部で14の部分(留)からなる。教会では、聖堂の脇に掲げられた一連の絵画や彫刻にむかい、各場面を黙想しながら行う。デュプレは1931年に、ブリュッセル音楽院において、各留の朗読のあとに即興演奏したのがきっかけで翌年「十字架の道行き」を完成し作曲者自身によって初演された。イエスの受難や苦悩の足取り、十字架や慰めなどを表わすテーマや音形が巧みに織り込まれている。作曲者による音色指定は、ロマン派オルガンの香りも引継ぎながら、映像を見るようなドラマティックな展開へと構築されている。
続くデュプレのコラール作品は、J.S. バッハが伝統的な賛美歌を用いて作曲した79のコラールをオルガン学習者に馴染みやすいよう、デュプレがシンプルな作品としてまとめたもの。その中から山田は3曲を選び、”復活”としてアルバムのしめくくりとした。
●曲目
マルセル・デュプレ(Marcel Dupr?1886-1971):
「十字架の道行き」op.29 全曲
1.第1留 イエスは死刑の宣告を受ける
2.第2留 イエスは十字架を担う
3.第3留 イエス、初めて倒れる
4.第4留 イエスは母に会う
5.第5留 キレネのシモンがイエスの十字架を担う
6.第6留 ヴェロニカがイエスに布を差し出す
7.第7留 イエス、再び倒れる
8.第8留 イエスはエルサレムの婦人たちを慰める
9.第9留 イエス、三度倒れる
10.第10留 イエスは衣を剥がれる
11.第11留 イエスは十字架に釘づけられる
12.第12留 イエスは十字架上で息を引き取る
13.第13留 イエスは十字架から降ろされ、マリアの胸に抱かれる
14.第14留 イエスは墓に葬られる
「79のコラール」op.28 より
15.第12番「キリストは死の縄目につながれたり」
16.第25番「聖なるキリストはよみがえり給えり」
17.第47番「来たれ聖霊、主なる神」
演奏:山田早苗(オルガン)
収録時間:58分54秒
録音:2022年9月15日所沢市民文化センターミューズ アークホール
発売元:コウベレックス
■パソコンでのCD・DVD再生について■
パソコンでのCD・DVD再生の動作に関しましては当社では保障対象外となります。尚、パソコンでのCD再生時の曲目等の誤情報表示については、インターネット接続環境下において、音楽・映像再生ソフト(Windows Media Player、RealOne Playerなど)の多くが、各社独自のCDDB(CDデータベース)からメディア情報を取得し、楽曲リスト等の表示が可能な機能を提供しているもので、弊社は一切関知しておりませんので、予めご了承下さい。