「このままでいいのか」。
これは一キリスト者として、さまざまな人権運動にかかわってきた著者の心から
の叫びである。
今や、人権が尊重されるべきものであることに異論をはさむ人はいない。
にもかかわらず、世界各地で、そしてわが国でも、多くの人々の人権がないがし
ろにされている。
問題は、わたしたちがそれに気づいていない、それがいかに重大なことか意識し
ていないということなのだ。本書は、多くの事例を紹介しながら、この現実を鋭
く描き出す。
紛争、難民問題、民族差別、女性や子どもの疎外、靖国問題、憲法や教科書の問
題、不当拘留、
裁判を受ける権利の否認など、淡々と事実を指摘し関係者の声をつづっていく。
読み進めるうちに、叫んでいるのは著者ではなく、事実そのものなのだというこ
とに気づかされていく。
【著者紹介】
1927年名古屋市生まれ。
現在、日本カトリック正義と平和協議会専門委員。
99年以降、「キリスト者平和ネット」「宗教者ネット」を仲間とともに立ち上げ、
反戦平和運動を中心に靖国神社問題、外国人差別問題に取り組む。
著者: 木邨健三
判型: B6判並製
ページ: 224頁
ISBN: 978-4-8056-3256-7
発行: サンパウロ