舞台は、11世紀、ローマ帝国(ビザンティン帝国)。難敵ブルガリアにようやく勝利を収めたころ、皇帝の信任厚い1人の武将が退任し、軍馬育成のために牧場を始めた。無骨なまでに駿馬を育てようとする武将。その牧場の利益をねらって、陰謀を張りめぐらす将軍や商人たち。彼らの謀略は、弱者たちや一般民衆、教会をも巻き込んでいく……。正教会の司祭である著者が、現実の中で信仰を生きるとはどういうことなのか、鋭く問う歴史小説。
●著者紹介
及川信(おいかわ しん)
1959年生まれ。東京正教神学院卒業。日本ハリストス正教会司祭(神父)。
現在、人吉ハリストス正教会(九州管轄)所属。著書に『ろば物語』(燦葉出版社)、『ロシア正教会と聖セラフィム』(サンパウロ)、『ギリシャ正教中世物語集 破門審問』(新世社)など。
著者: 及川信
判型: B6判並製
ページ: 272
ISBN: 978-4-8056-0809-8
発行: サンパウロ