十字架の道行きは、カトリック教会の伝統的な美しい祈りです。
イエスが死刑の宣告を受け、十字架を担ってゴルゴタの丘へ向かい、死んで墓に葬られるまでの出来事を14の場面にわけ、その場面場面で留まりながら一定の祈りの形式のもとに祈り、イエスの苦しみを黙想するものです。教会の聖堂の両側の壁に、十字架の道行きの絵がかかっている場合があります。また、野外に並んでいる場合もあります。
十字架の道行きを祈る人は、イエスが苦しみながら歩かれたように、各場面(=留 りゅうと呼ぶ)の前で留まって祈り、そして次の留へと移動していきます。まさに体で感じる祈りです。
この祈りは、特にご復活に向かう準備の期間、四旬節中によく祈りますが、そのときだけの祈りではありません。苦しいときなど、静かに主イエスの心を味わいながら祈ることは、ふさわしいことです。
私のために、ご自分の命を与えてくださったイエスの愛を深く悟るでしょう。
この「主とともに」には、3つのタイプの十字架の道行きが載っています。
第1の形は、一般向きで、第2は、やや思索的、神学的なもので、第3は聖書の黙想をもとにした『道行き』です。第2と第3形式には、第15留「復活」が付け加えられています。第4に、聖書に基づく「受難と復活」に関する黙想が載っています。
どの祈りも、直接イエスに呼びかけている祈りです。イエスの受難と死が、形式的な遠くの出来事ではなく、自分と関係したものであることを感じ、深い内省へと導かれます。
著者: 奥村一郎
判型: A6判並製
ページ: 152
ISBN: 4-7896-0030-0
発行: 女子パウロ会